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新型ヘアードライヤーから知財戦略を考えてみる~2

ダイソンから発売された新型ヘアードライヤーの知的財産について、前回のブログでは、デザイン面から調べてみました。

今回は、このヘアードライヤーに盛込まれているアイデアの保護について見てみます。

 

一般にアイデアは「特許」で保護することができます。

ということで、このヘアードライヤーについて特許検索をしてみます。

今回は、J-Platpatの「特許・実用新案テキスト検索」を使ってみました。

まず、「出願人/権利者」の項目には「ダイソン」を入れます。

次に、ヘアードライヤーに関する指定を行う必要がありますが、今回は特許分類(IPC:A45D20/10)を使って検索をしてみます。

 

結果は次の20件です。

特許

 

上の表は、20件の特許を最先の優先日(ダイソンが英国で特許出願を行った日)の順に、新しい方から並べています。

表の緑色で示した部分は2012年、黄色は2013年以降に出願されたものです。

 

まず目に付くのが、表で緑で示した2012年よりも前に特許出願されたものが抽出されなかったこと。

羽根のない扇風機をダイソンが日本で発売したのは、2009年末でした。

普通の扇風機よりも高価でしたが、これまでの扇風機とは違う目新しさやデザイン性(グッドデザイン賞を受賞)などでかなりのヒット商品になりましたよね。

2012年から特許出願が始まっているということは、おそらく扇風機の成功を受けて今回のヘアードライヤーの開発がスタートしたのではと思います。

勝手な推測ですが、商品開発について選択と集中がしっかりと行われている気がします。

 

次に、どのような技術について特許出願が行われているかを発明の概要から見てみます。

緑色で示した2012年の特許は、そのほとんどが空気の流路を中心とする構造、つまり、ヘアードライヤーの中で空気が通る部分の構造に関するものです。

今回のヘアードライヤーは、従来のものとは空気の流れが違うところが大きな特徴点ですので、この時出願した特許が技術の骨格部分と言っていいのかもしれません。

一方、2013年以降は内容がガラッと変わって、付属品を含めた周辺技術について特許出願が行われています。

大まかに分類した結果からの推測ですので正確なところは分かりませんが、アイデアの保護についても、選択と集中がしっかりと行われているようですね~

 

(もう少し続く・・・?)

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