最近読んだオススメの本をご紹介します。
タイトルは”「ネジザウルス」の逆襲 累計250万丁の大ヒット工具は、なぜ売れ続けるのか”。
著者は「ネジザウルス」を製造、販売する会社の社長、髙崎充弘さんです。
「ネジザウルス」をご存じない方のために簡単にご紹介すると、本の表紙に載っている工具がそれですね。
形が似た工具はこれまでにもあったと思いますが、従来の工具と違って、写真のようにねじを横から掴んでそのまま回転させることができます。
つまり、ねじの頭にある十字の穴(ねじを回すときにドライバーを差し込む穴)が潰れてしまい、普通ならねじを外せない状態であっても、ネジザウルスなら外すことができます。
さて、工具は年間1万丁(1万個)も売れれば大ヒットだそうですが、このネジザウルスは、初代の発売(2002年)から2015年9月までにシリーズ累計で250万丁(250万個)も売れているそうです。
この大ヒットの要因として著者は、MPDP理論として次の4つを挙げています。
M:マーケティング(Marketing)
P:パテント(Patent)
D:デザイン(Design)
P:プロモーション(Promotion)
そして、MPDPという4つの要素を意識した開発や販売促進活動を行ったとき、その商品やサービスはヒットする確立が高まる、と述べています。
ヒット商品につながる要因として、パテント(特許)の重要性を述べてきた本はこれまでにも多数ありました。
しかしその大半は、大企業での成功例だったと思います。
また中小企業でも特許が大事、という本もありましたが、私が目にしたものはサポート役(弁理士など)の立場から書いたものがほとんどでした。
比較的規模の小さい会社(著者の会社は従業員が30名だそうです)の側からヒット商品と特許との関係性を述べた本は、多分珍しいのでは?
ヒット商品を目指す中小企業の方、またその企業を支援する弁理士の方には色々と参考になる本だと思います(^^)