例えば、「手と腕」や「足と脚」というように、意味は似ているのに漢字は複数存在している、というものがあります。
別の漢字がある以上、厳密には意味は違うはずですね。
ただ、使い方が適切かと言われるとイマイチ不安・・・(^^;)
ということで調べてみました。
漢和辞典(新漢語林)を引くと、「手と腕」は次のように記載されていました(一部を抜粋)。
手:ア)手首から先の部分。五指と手のひら。イ)うで。肩から手先までの総称。
腕:ア)かいな。肘(ひじ)と手首との間。イ)手首。
上肢全体を指す場合は「手」を使いえばOK、上肢の各部分を指す場合なら「手」と「腕」を使い分ける必要があり、ということですね。
「足と脚」は、次のように記載されています(一部を抜粋)。
足:ア)股(もも)から下の部分。イ)踝(くるぶし)から下の部分。
脚:ア)すね。はぎ。膝の下、くるぶしの上の部分。イ)あし全体。
下肢全体を指す場合は「脚」、下肢の各部分を指す場合なら「足」と「脚」を使い分ける必要がありますね。
ところでこの漢字ですが、日本の特許庁でも厳密に使い分けされているようです。
一例ですが、特許調査で使用するFターム(3B011)を見てみると、次のように記載されています。
AA08:手と腕を被覆するもの
AA15:脚部と足部を被覆するもの
「手」と「腕」、「脚(部)」と「足(部)」が並記されています。
それぞれの漢字が別の部位を示しているということになりますね。
そうすると、くるぶしより上の部分を被覆するものを説明するときに「足」の漢字を使用するのは不適切、ということになります。
細かいところですが、間違った使い方をしていて後々対応に困るのも実はこうした細かいところ。
書類を作成するときは、全体の整合性は勿論ですが、こうした漢字の使い方にも気を付けなければなりませんね。