特許庁のホームページに 「特許庁ステータスレポート2016」がアップされています。
特許に関する統計では、国内出願件数は減少傾向にありますが、PCT出願件数は2014年よりも若干増えているようですね。
総じて大きな変化はなさそうです。
一方、商標の統計を見てみると、2015年は前年比18.4%増とかなり増えています。
細かい内訳が発表されていないので何が増加に結びついているのかは分かりませんが、個人的には、これまで商標をあまり意識していなかった方々にも少しずつ浸透していることがこの結果になっている気がします。
レポートの最後には「新たな産業財産権制度の検討」と題して、今後の法改正につながる動きについても紹介されていました。
具体的には次の3点が挙げられています。
1)特許に関して新規性喪失の例外期間を6月から1年に変更
2)出願から5年又は審査請求から3年のいずれか遅い日以後に特許権の設定登録があった場合に、特許期間を延長できる制度を導入
3)商標の不正使用に係る法定損害賠償制度の導入
私がご相談に応じた方で、”当初は特許取得について意識していなかったけれど周囲の助言で考え直した。ただ、既に6ヶ月を越えて公に使っている” という方がいらっしゃいました。
新規性喪失の例外が適用されないので、現在使っているそのものについて特許を取得することはできません、と伝えたところ、非常に残念がっていたことを思い出しました。
特許にあまり馴染みのない方には、先に特許庁への手続を済ませてから公開する、ということがまだ浸透していないようです。
そもそも上記の改正はTPPに絡んで検討されているということが真相のようですが、1)のように期間が延長されれば、多少は特許の活用につながりそうです。